OAデスクとは?種類や購入とレンタルの比較、導入の流れをご紹介

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オフィス家具について調べ始めた経営者や総務担当者の方々からは、「普通のデスクとOAデスクって何が違うの?どちらを選べばいいのかわからない」「OAデスクという言葉を見かけるけれど、具体的にどんな特徴があるのか理解できない」といったお悩みの声をよく耳にします。

確かに、オフィス開設や移転は多くの決断を迫られる場面が続くため、デスク選びで迷ってしまうのは当然のことでしょう。

この記事では、OAデスクとは何かという基本的な定義から、一般的なオフィスデスクとの違い、さまざまなOAデスクの種類について詳しく解説いたします。

さらに、購入とレンタルの比較検討や、実際の導入時に必要となる具体的な流れまで、実践的な情報をお届けします。

OAデスクとは

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OAデスクとは、Office Automation Deskの略称で、パソコンやプリンター、モニターなどのOA機器を効率的に配置・使用するために設計された専用のオフィスデスクです。現代のデジタル化されたオフィス環境に対応するため、従来の事務机とは異なる特別な機能を備えています。

OAデスクが必要とされる理由は、主に以下の3つの要素があります:

  • 配線管理機能:デスク内部にケーブル収納スペースや配線穴が設けられている
  • 機器設置対応:パソコン本体やモニター、周辺機器の重量に耐えられる堅牢な構造
  • 作業効率向上:キーボードスライダーや可動式モニターアームなどの ergonomic(人間工学的)機能

従来の木製事務机では対応しきれなかった現代オフィスの課題を解決するため、OAデスクは1980年代のオフィスコンピューター普及とともに開発されました。今では、リモートワークの増加やデジタルトランスフォーメーションの進展により、その重要性はますます高まっています。

つまり、OAデスクは単なる作業台ではなく、デジタル時代の業務効率化を支える専門的なオフィス家具として位置づけられているのです。

OAデスクと一般的なオフィスデスクの違い

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OAデスクと一般的なオフィスデスクには、配線機能サイズと機能性価格帯という3つの主要な違いがあります。

これらの違いについて詳しく説明していきます。

サイズの違い

OAデスクと一般的なオフィスデスクでは、サイズ設計と機能面において違いがあります。

サイズについて詳しく見てみると、一般的なオフィスデスクの奥行きは通常60cmから70cm程度ですが、OAデスクは70cmから80cmの奥行きを持つものが主流となっています。

これは、モニターとの適切な視距離を確保し、キーボードやマウスの操作スペースを十分に取るためです。また、幅についても一般デスクが120cm程度なのに対し、OAデスクは140cmから160cmと広めに設計されているケースが多いでしょう。

結果として、初期コストは一般デスクより高くなりますが、業務効率化による生産性向上を考慮すると、OAデスクの方が長期的なコストパフォーマンスに優れているのです。

価格帯の違い

OAデスクは一般的なオフィスデスクよりも価格が高く設定されていますが、その理由は機能性の違いにあります。

価格差が生まれる主な要因として、OAデスクには配線管理システムや耐荷重性能の向上、専用パーツの組み込みなど、高度な設計と製造技術が必要となるためです。また、パソコンやモニターなどの精密機器を安全に支える構造強度も求められるため、材料費や加工コストが上昇してしまいます。

具体的な価格帯を比較すると、以下のような傾向が見られます:

デスクタイプ 価格帯 主な特徴
一般的な事務机 15,000円~40,000円 シンプルな構造、基本的な収納機能
エントリー級OAデスク 30,000円~60,000円 基本的な配線機能、CPUボックス付き
ハイグレードOAデスク 80,000円~150,000円 高機能配線システム、昇降機能など

購入時は初期投資が大きく感じられるかもしれませんが、レンタルという選択肢もあります。OAデスクのレンタル料金は月額2,000円~8,000円程度で、短期間の利用や初期コストを抑えたい企業には魅力的でしょう。

ただし、長期的な視点で考えると、OAデスクの耐久性は一般的なデスクよりも優れているため、トータルコストでは決して割高ではありません。配線がすっきりと整理されることで清掃時間の短縮や、機器の故障リスク軽減といった間接的なコスト削減効果も期待できるのです。

OAデスクの種類

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OAデスクには、オフィスの用途や設置場所に合わせて選べる豊富な種類が用意されています。

最もベーシックな平机タイプは、シンプルな構造でフリーアドレスオフィスに最適です。収納力を重視するなら、引き出しが付いた片袖机や両袖机タイプが便利でしょう。限られたスペースを有効活用したい場合は、コーナーにぴったりフィットするL字型・コーナー型がおすすめです。

それぞれの形状には独自のメリットがあり、オフィスの規模や業務内容、レイアウトに応じて最適な選択肢が変わってきます。それでは、各タイプの特徴について詳しく説明していきましょう。

平机タイプの特徴

平机タイプは、OAデスクの中で最もシンプルで汎用性の高い形状として、多くのオフィスで採用されています。引き出しや収納機能を持たないフラットな天板が特徴で、デスク下のスペースを最大限に活用できる設計となっています。

平机タイプの構造的特徴として、天板には標準的なグロメット(配線穴)が設けられており、電源コードやLANケーブルをすっきりと整理できます。

サイズ展開も豊富で、幅1200mm×奥行700mmから幅1800mm×奥行800mmまで、オフィスの規模や用途に合わせて選択できます。特に、複数台を並べて設置する島型レイアウトや、壁際に配置する一列レイアウトとの相性が抜群で、統一感のあるオフィス空間を演出できるのも魅力的です。

片袖机・両袖机タイプの特徴

片袖机・両袖机タイプは、収納機能を重視したOAデスクの代表的な形態です。従来のオフィス家具の良さを活かしながら、現代のOA機器に対応した設計が特徴となっています。

このタイプが選ばれる理由は、デスクワークに必要な書類や文房具を手の届く範囲に整理整頓できる収納力と、パソコン作業に適したワークスペースを両立できるからです。特に管理職や個人作業が多い職種において、高い人気を誇っています。

両袖机の場合、左側の袖には書類や参考資料、右側の袖にはパソコン関連の機器や個人的な物品を分けて収納することで、効率的なデスク環境を構築できるでしょう。

L字型・コーナー型の特徴

L字型・コーナー型のOAデスクは、限られたオフィススペースを最大限に活用できる非常に効率的な選択肢です。コーナー部分や壁際のデッドスペースを有効活用することで、通常の平机では実現できない広い作業面を確保できるからです。

また、椅子に座ったまま体の向きを変えるだけで、異なる作業に素早く移行できるため、立ち座りの回数を減らし、集中力を維持しやすくなるでしょう。

ただし、設置には最低4畳程度のスペースが必要となり、一度設置すると移動が困難というデメリットもあります。また、価格帯は平机タイプより20%から30%高くなる傾向があるため、コストパフォーマンスを慎重に検討する必要があるでしょう。

L字型・コーナー型OAデスクは、スペース効率と機能性を重視するオフィスにとって、非常に価値の高い投資と言えます。

OAデスク導入時の購入とレンタルの比較

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OAデスクを導入する際には、購入とレンタルという2つの選択肢があり、それぞれに異なるメリットとデメリットが存在します。

購入の場合は初期費用は高くなりますが、長期的な視点で見ると1台あたりのコストを抑えられる可能性があります。一方、レンタルサービスでは初期投資を大幅に削減できるものの、継続的な月額料金が発生するため、総合的なコスト計算が重要になってきます。

また、オフィスの規模や事業の成長計画、従業員数の変動予測なども判断材料として考慮する必要があるでしょう。それでは、それぞれの特徴について詳しく説明していきます。

購入のメリット・デメリット

OAデスクを購入する場合の最大のメリットは、長期的なコストパフォーマンスの良さと自由度の高さです。一度購入してしまえば、その後の月額費用は発生せず、10年以上の長期利用であれば確実にレンタルよりも経済的になります。

一方で、購入にはいくつかのデメリットも存在します。最も大きな課題は初期投資の負担で、スタートアップ企業や中小企業にとっては資金繰りに影響を与える可能性があるでしょう。

つまり、OAデスクの購入は安定した経営基盤を持つ企業で、長期間同じオフィスで事業を継続する予定がある場合に最適な選択肢といえるでしょう。初期投資を抑えたい場合や、将来的な事業規模の変動が予想される企業では、慎重な検討が必要です。

レンタルのメリット・デメリット

OAデスクのレンタルは、初期費用を抑えながらオフィス環境を整えられる魅力的な選択肢です

レンタルが注目される理由は、スタートアップ企業プロジェクトベースの業務において、柔軟性と資金効率の両立が求められるからです。一方で、長期的な運用を考えた場合には、購入とのコスト比較も慎重に検討する必要があります。

まず、レンタルの主なメリットをご紹介します。

  • 初期投資の大幅削減:まとまった資金が不要で、月額料金のみでOAデスクを導入できる
  • 柔軟な台数調整:事業拡大や縮小に合わせて、必要な分だけデスク数を増減可能
  • 最新機種への更新:契約期間中でも新しいモデルへの変更が比較的容易

特に、オフィス移転レイアウト変更の際には、レンタル業者による搬入・設置サービス回収サービスが利用できるため、手間とコストを大幅に軽減できるでしょう。

一方で、レンタルには以下のようなデメリットも存在します:

  • 長期的な総コスト増加:3〜5年以上の長期利用では、購入価格を上回る場合が多い
  • 契約期間の制約:中途解約時の違約金や、最低契約期間の設定がある場合

しかし、短期プロジェクト季節的な人員増加への対応、初期資金を他の投資に回したい成長企業にとっては、レンタルの柔軟性が大きな価値を提供してくれるのです。

つまり、レンタルは初期コストと運用の柔軟性を重視する場合に最適な選択肢となりますが、長期的なコストパフォーマンスを優先するなら購入との比較検討が不可欠といえるでしょう。

導入コストと運用コストの比較

OAデスクの導入においては、初期の導入コストと継続的な運用コストの両面から総合的に判断することが重要です。

購入の場合とレンタルの場合では、費用構造が大きく異なるため、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で最適な選択をする必要があります。

まず導入コストの面から見ると、購入では一度に大きな初期投資が必要になりますが、レンタルでは月額費用のみで導入できるため、キャッシュフローの観点では大きな違いがあるでしょう。

運用コストの観点では、購入した場合はメンテナンス費用修理費用処分費用が別途発生します。一般的にOAデスクのメンテナンスには年間で購入価格の5%~10%程度の費用がかかるとされており、長期使用による部品交換や修理も考慮する必要があるでしょう。

レンタルの場合は、月額料金にメンテナンスや修理対応が含まれているケースが多いため、予期しない出費を避けることができます。また、オフィスの拡張や縮小に合わせて台数の調整が柔軟に行えるため、事業規模の変化に対応しやすいというメリットがあります。

損益分岐点として考えると、多くの場合3年~4年程度でレンタル総額が購入価格を上回る傾向にあります。つまり、3年以内にオフィス移転や事業変更の予定がある場合はレンタルが有利で、5年以上の長期利用を予定している場合は購入の方がコストパフォーマンスに優れているのです。

OAデスク導入の流れ

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OAデスクの導入を検討する際は、計画的なアプローチが重要です。まず必要台数の算出では、現在の従業員数だけでなく将来的な人員増加も見据えた検討が大切です。次に、オフィスレイアウトとの兼ね合いでは、通路幅の確保や動線の最適化を考慮しながら、効率的な配置プランを立てる必要があります。

それでは、これらのポイントについて詳しく説明していきます。

必要台数を算出する

必要台数の算出は、現在の従業員数と将来の成長計画を基準に行うことが重要です。

OAデスクの必要台数を正確に把握する理由は、初期投資の最適化オフィススペースの有効活用にあります。過剰な台数は予算の圧迫につながり、不足する場合は後から追加導入が必要となり、かえってコストが高くなってしまいます。

たとえば、現在30名の従業員がいて、2年後に40名へ増員予定の場合、週3日のテレワーク制度があるなら稼働率は約60%となります。この場合の必要台数は「40名 × 60% + 予備4台 = 28台」という計算になりますね。

また、部署別の業務特性も重要な要素です。営業部門では外出が多いため稼働率が下がり、一方で開発部門やバックオフィスでは常時デスクを使用する傾向があります。

最終的には、算出した台数に基づいてレンタル業者や販売店から見積もりを取得し、予算との兼ね合いを確認することをおすすめします。 適切な台数設定により、従業員の働きやすさと経営効率の両立が実現できるでしょう。

オフィスレイアウトとの兼ね合いを考える

OAデスクの配置は、既存のオフィスレイアウトとの調和を最優先に検討することが重要です。なぜなら、デスクだけを個別に選んでも、全体的な動線や作業効率に支障をきたす可能性があるためです。

オフィスレイアウトとの兼ね合いを考える際には、以下の重要な要素を確認しましょう:

  • 通路幅の確保:デスク間の通路は最低80cm、メイン通路は120cm以上を維持
  • 電源・通信設備との位置関係:既存のコンセントやLAN配線との距離を測定
  • 採光・空調との相性:窓からの自然光や空調の風向きを考慮した配置
  • 共有スペースとの動線:コピー機やプリンター、会議室への移動経路を妨げない設計

オフィス家具の統一感も重要な検討事項となります。既存のキャビネットや会議テーブルとの色調素材感を合わせることで、プロフェッショナルで洗練された職場環境を演出できるでしょう。

結果的に、オフィス全体の機能性と美観を両立させるためには、OAデスクを単体で考えるのではなく、空間全体のバランスを重視した総合的な判断が不可欠です

まとめ

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OAデスクは、現代のオフィス環境において業務効率向上と快適性を両立させる必要不可欠なオフィス家具です。

OAデスクの種類は用途に応じて選択でき、平机タイプはシンプルで導入しやすく、片袖机・両袖机タイプは収納力に優れ、L字型・コーナー型は限られたスペースを有効活用できます。

導入方法については、購入は長期的なコスト削減レンタルは初期費用の抑制と柔軟性というそれぞれのメリットがあるため、企業の規模や予算、将来の計画を総合的に検討することが重要です。

導入時は必要台数の算出 → オフィスレイアウトとの調整という流れで進めることで、作業効率の向上コストパフォーマンスの最適化を実現できるでしょう。適切なOAデスク選びによって、従業員の満足度向上と企業の生産性アップにつながっていくでしょう。