定期的なリペアとクリーニングで オフィス家具を長持ちさせる新常識

オフィス家具は、毎日使うものだからこそ、知らないうちに汚れやキズが蓄積していきます。日々は気にならないオフィスの汚れやキズでも、溜まっていくとオフィスの印象を悪くしたり、働く人のモチベーションの低下を招いたりしているかもしれません。
コーユーレンティアが約1,000人のオフィスワーカーに実施した「オフィス家具のホンネレポート2025」では、「オフィスチェアの汚れが気になったことがある」という質問について、「そう思ったことがある」という割合が47.3%でした。女性だけに限ると52.8%と半分以上のオフィスワーカーがオフィスチェアの汚れが気になる経験をしています。また、「フロアカーペットや床が汚いと思ったことがある」という経験も50%を越え、30代女性だけに絞ると実に67.8%、ほぼ3分の2の人がそう思う経験があるといっています。

オフィス移転やレイアウト変更などのきっかけがないと、こういった日々の汚れや傷を一掃する機会はなかなかないかもしれません。そこで今回はオフィス家具のリペアとクリーニングについて、基礎知識から費用の目安、依頼の流れまでわかりやすくご紹介します。
リペアの定義とは?
オフィス家具の「リペア」と聞くと、壊れた部分を直すことだけをイメージする方も多いかもしれません。もちろん、ぐらついた椅子の脚を補修したり、破損した部品を交換したりすることもリペアのひとつです。ただ実際には、リペアはもっと広い意味で捉えることができます。
たとえば、デスク天板のキズや凹みを補修する、キャビネットの鍵やレールがたつきを調整する、チェアのアームやキャスターを交換する、破れた張地を張り替える、といった機能性を回復する作業もすべてリペアに含まれます。見た目を整える修復だけでなく、使い勝手や性能を回復するための作業も、オフィス家具における大切なリペアです。
また、クリーニングも広い意味ではリペアの一部として考えることができます。椅子の座面や背もたれに付着した汚れを落とすこと、天板や収納家具の表面を洗浄して美観を回復させること、ニオイやくすみを除去して快適性を取り戻すことも、家具をより良い状態に戻すための有効なメンテナンスです。壊れてから直すのではなく、定期的に汚れや劣化を早めにケアし、状態の悪化を防ぐことも、オフィス家具を大切に使う上で重要な考え方といえるでしょう。
一般的なオフィス家具の耐久年数は?
オフィス家具にはそれぞれ一定の耐久年数の目安があります。もちろん、使用頻度や利用環境によって差はありますが、おおよその目安を知っておくことは、買い替えやリペアの時期を判断するうえでも役立ちます。
オフィスチェアは、毎日身体を預ける家具であり、昇降やリクライニング、キャスター移動など可動部分も多いため、消耗しやすい家具のひとつです。一般的には数年から7〜8年前後がひとつの目安になりますが、国内主要メーカーの高品質な製品であれば、それ以上使い続けられるケースも珍しくありません。
オフィスデスクも一般的には7〜8年程度がメーカーが設定している耐久年数ですが、比べると構造がシンプルで耐久性も高く、比較的長く使いやすい家具です。天板表面のキズや凹み、脚部のぐらつきなどが生じても、補修や調整によって良い状態で使用を継続できる場合があります。キャビネットや書庫も同様に、凹みやキズ、レールや鍵部分などの不具合が出やすい一方、本体そのものはしっかりしていることが多く、部分的な修理で十分使い続けられることがあります。
その他、オフィス家具は10年以内で耐久年数が設定されているものがほとんどです。しかし、耐久年数はあくまで目安であり、実際の寿命は日々の使い方とメンテナンスによって大きく変わります。定期的な点検、早めの補修を行うことで、オフィス家具をより長く、より快適に使うことが可能になります。
どんなキズや不具合が修理できるか?
オフィス家具の不具合にはさまざまな種類がありますが、ほとんどの不具合はリペア可能です。
椅子の汚れも代表的な悩みです。オフィスチェアの生地部分は皮脂汚れが付きやすく、長く使ううちに全体がくすんで見えることがあります。こうした汚れは、専門的なクリーニングによってかなり印象を改善できる場合があります。また、張地の破れやほつれについても、張り替えや部分補修で対応できるケースがあります。そのほかにも、キャスターの動きが悪い、クッション性が低下した、アームレスト等の部品に不具合がある、といった内容は比較的相談の多い内容です。こうした症状は、交換可能な部品があれば、改善できることがあります。主要メーカーの製品であれば、代替部品を在庫している場合もあり、修理の可能性も高まります。

オフィスデスクでは、天板の凹みや擦りキズがよくある相談例です。パソコンや書類、文房具などを日常的に扱うデスクは、どうしても表面にダメージが出やすくなります。これらは大きな凹みやキズであっても、パテ等による補修によってかなりのリペアが期待できます。

また、新規購入金額が高いものやオフィスレイアウトの都合で買い替えがしづらいものもリペア相談が多いオフィス家具です。例えば、高級オフィスチェア、フリーアドレスデスク、革製の応接セットで一式揃っているものなどがその例です。新規調達するにも代替品のコストが高いため、よいものを長く使うほうがトータルでみればコストを抑えられるかもしれません。

一方で、破損が広範囲に及んでいる場合、輸送に解体が必要なものなどは、修理より買い替えのほうが適していることもあります。大切なのは、自己判断であきらめるのではなく、まずはプロに状態を見てもらうことをお勧めします。
リペアの費用目安
リペアの費用は、オフィス家具の種類や不具合の内容によって変わりますが、おおよその目安を知っておくと検討しやすくなります。
オフィスチェアの場合は、キャスター交換や簡単な調整であれば比較的手頃に対応できることがあります。アーム交換やガスシリンダー交換、張地補修などになると、内容に応じて費用は上がります。簡単な修理であれば、費用の目安は20,000円程度からとなります。一方、アーム交換やガスシリンダー交換、張地補修などの場合は、修理内容に応じて費用が高くなる傾向があります。
オフィスデスクでは、天板の小キズ補修やぐらつき調整などの軽微な修理であれば、比較的抑えた費用で済むことがあります。天板の補修修理であればおよそ50,000円〜程度の費用目安となります。ただし、天板交換や大きな補修になると費用も大きくなる場合もあります。
キャビネットや収納家具については、側面の傷や凹みの補修や鍵交換、レール調整、取っ手交換などが主な修理内容になります。こちらもおよそ50,000円〜程度の費用目安となります。本体はまだ使えるのに一部の不具合だけで使用をやめてしまうのはもったいないため、部分的な修理で延命できるかどうかを見極める価値は十分あります。
クリーニングは、オフィスチェアの場合おおよそ2,500円/脚前後が費用目安です。ただし、1脚のみで対応してもらえるケースは少ないので、20脚などまとまった数でのご相談が必要になります。
| 項目 | オフィスチェア | オフィスデスク | その他(キャビネット等) |
|---|---|---|---|
| 耐久年数目安 | 8年 | 10年 | 8年 |
| よくある不具合と対応例 |
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| 費用目安 |
修理:20,000円〜/脚
クリーニング:2,500円〜/脚
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修理:50,000円〜 | 修理:50,000円〜 |
その他費用として、出張費用or輸送費用がかかる場合があります。依頼する会社と自社との距離、繁忙期か否かによっても費用が変動します。代替部品が必要な場合、部品の取り寄せ費用などが掛かる場合があります。現地での見積もりが無料のケースも多いので、まずは見積もりをとってみることをお勧めします。
リペアの依頼方法
リペアを依頼する際は、まずオフィス家具それぞれの種類と症状を整理することが大切です。どの家具に、どのような不具合があるのかをまとめておくと、相談がスムーズに進みます。たとえば、椅子の昇降ができない、デスク天板に凹みがある、キャビネットの引き出しに凹みがあり引っかかる、といった形で具体的に伝えるのがポイントです。
また、写真を送付するとよりわかりやすくなります。全体写真と不具合箇所のアップがあると、専門家がリペア可能かの判断がしやすくなり、現地確認が必要かどうかも見極めやすくなります。メーカー名や型番がわかる場合は、それも伝えると部品在庫があるかの確認がしやすくなります。
クリーニングを依頼したい場合も同様で、汚れの種類や範囲、台数、設置場所などを伝えると話が早くなります。こちらもメーカー名や型番がわかると、過去のクリーニングのケースからより精密な見積もりが可能になります。
相談後は、状態確認(場合により現地確認)、見積もり、引き取りもしくは現地訪問により修理という流れになるのが一般的です。見積もりをとってみて、新品購入よりもメリットがあるか、ぜひ比較検討してみてください。

Re の考え方を取り入れ、オフィス家具を長く使おう
これまでオフィス移転やレイアウト変更のタイミングで一気にオフィス家具を入れ替える方法が一般的でした。これからのオフィスづくりでは、Reduce、Reuse、Repairといった「Re」の考え方がますます重要になります。壊れたら捨てる、汚れたら買い替えるという発想ではなく、定期的に直しながら使う、きれいにしながら使うという視点を持つことが、ひいてはオフィスのイメージや従業員のモチベーションにもつながっていくかもしれません。
リペアとクリーニングは、単なる補修作業ではありません。オフィス家具を大切に使い、資産として活かし続けるための実践的な方法です。オフィス家具を長く使うことができれば、新規購入費や廃棄費用の削減につながり、環境負荷を軽減しながらコストダウンにもなります。これからの時代の新常識として、定期的にリペアを検討し、オフィス家具を長く使う取り組みを、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。


